誰のために、何を、どのように

何を書こうか、どのようにして始めようかと作曲家はいつも考えています。でも誰のために書くかという質問は少々複雑です。委嘱された方に、または誰かに曲を捧げるとか、自分の勉強のためまたは自分の心の安らぎのためになどいろいろ理由が挙げられます。世界平和のために作品を書いてもそれはちっとも世界平和には繋がらず、自分の気休めだろうとひそかに思います。陸上自衛隊中部方面音楽隊からの委嘱はそう意味から私にできる仕事かなと一瞬迷いました。自衛隊は世界平和に直接関係しているとても重要な組織だからよけいに責任を感じます。ドイツのニュースでは毎日近い隣国からの戦争状況が報道されます。否応無しに世界の出来事を把握しなければならないこの2年でした。難民受け入れ、シリア、ウクライナなど、すべてドイツも関与しています。その中で日本の自衛隊の重要さをひしひしと感じました。世界平和にどんな形でもよいから貢献しなければいけないと思いました。

「歓喜の歌ファンタジー」ブラスオーケストラとソプラノのために、陸上自衛隊中部方面音楽隊委嘱作品、世界初演
2017年1月9日11時 陸上自衛隊音楽祭
兵庫県芸術文化センター、大ホール
2017年1月8日18時 公開リハーサル 同ホールにて
演奏:陸上自衛隊中部方面音楽隊
ソプラノ:鶫 真衣
指揮:樋口 孝博
CD:同時発売 BOCD-7613 Brain music

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